「大阪名物くいだおれ」2階の居酒屋で人気のメニューのひとつが、「だし巻き」です。オン・デマンドで職人が巻いた熱々ですから、美味しいのはあたりまえ。グループでご注文されると、たいてい追加、追加とオーダーいただくようです。
今日は、その出し巻きを巻くところをご紹介しましょう。今日の担当は、居酒屋部厨房の2番手、「西やん」こと西田くんです。
まず、鍋をあたためて、卵液を流し込みます。
ポイントは、火力。この火の強さを見てください。
「くいだおれ」居酒屋部での出汁の配合は、玉子1ダースにつき出汁2合、約360ml。割烹のプロとしてはまあ標準的な配合ですが、これ、われわれ素人にはなかなかうまく焼ける比率ではありません。ここまで出汁が多いとなかなか焼けません。
これを上手く焼く秘密のひとつが、この火力。
強い火力で一気に焼くと、こうやってあちこちに気泡ができてきます。
これをつぶしながら巻いていって・・・
「巻いていって」なんて書いてますが、これも難しい。箸でつかめる固さではないので、こうやって箸をそえながら、パタン、パタンと巻いてゆきます。
そしてさらに卵液を足して、
を、繰り返して巻いてゆきます。
そして、最後に巻き簀(まきす)で形を整えて、出来上がり。これはコースの盛り込みに使う分です。
出汁がたっぷりのだし巻きは実に美味しいものですが、「料理人になって最初にぶつかる壁」なんだそうです。
それは、上に書いたような火力の使い方、そして巻いてゆくタイミングや巻き方に熟練が必要ということです。
そして、もうひとつの秘密がこの鍋。
卵焼きにつかう、こういう四角い鍋を「巻き焼き鍋」といいますが、これ、黒いので鉄製かと思いきや、銅なのです。
巻き焼き鍋は水や洗剤では洗いません。毎回使うたびに、きれいな油で拭いて汚れを落とします。そういうことを毎日やっていると、こんなふうに黒くなるのだそうでう。そして、こうなると実に油のなじみが良くなって、だし巻きを巻くときも鍋に玉子がくっつかない。
まあ、鍋がこういうコンディションになるように使うのも腕前らしいです。だし巻きというものは、もたもたやっていると出汁がしみ出してきて、油が切れるといいます。それで鍋にくっついてしまうと。
洋の東西を問わず卵料理はむずかしいと言いますが、だし巻きもその一つ。
これはぜひ、プロの職人の技を味わっていただきたいものです。
2008年06月26日
居酒屋部 その4 だし巻き玉子
posted by くいだおれ太郎 at 22:17| Comment(1)
| 日記
・・・居酒屋部のスペシャルでグループで だし巻きを頼むとホテルの
クレープよろしく客席出張で「だし巻き音頭」・・・という提案は
7月8日までには、ちょっと提案が遅かったような。