「くいだおれ」5階の大広間で、メディアさん向けの「文楽式くいだおれ太郎」のお披露目を行いました。
「くいだおれ」は国立文楽劇場に長いことご縁があり、「くいだおれ太郎」の文楽式人形を製作する計画は8年ほど前から進んできました。
文楽人形は、頭(かしら)の部分こそ人形師さんの手になりますが、衣装や手足などを含めた人形全体は、それを遣う人形遣いさんが完成させるものなのだそうで、ということは、誰がその人形を遣うかが決まらなければ人形の製作もできない、と、そういうものなのだそうです。
いろいろお世話いただいた方を介して、最終的に決まったのが桐竹勘十郎さん。上の写真で「太郎」の人形を持っておられる方ですが、今年、芸術選奨文部科学大臣賞を獲られた実力者です。
この文楽式「太郎」の頭は甘利さんという人形師さんが造られて、あと、手足や衣装は勘十郎さんが造られました。このように、最終的に人形の形に仕上げる方を「人形こしらえ」といって、この方が最終的な製作者になるそうです。
ということは、店頭の「太郎」は、頭は由良亀さんの製作ですが、最終的な「人形こしらえ」は「くいだおれ」創業者の山田六郎ということになるわけですね。
「くいだおれ太郎」の文楽式人形を作るなんて、伝統的保守的な文楽の世界ではなかなか難しいことだそうですが、勘十郎さんは新しいことにもチャレンジされる、これからの期待の星ということで、このような計画も実現できたそうです。
ちなみに、よく「文楽人形」と言いますが、「太郎」の人形は正しくは「文楽式人形」と呼ぶものだそうです。
というのは、「文楽」というのは人形芝居の一つのスタイルにすぎず、その様式にしたがって造られたという意味で「文楽式」なのだそうです。
文楽などの日本伝統の人形芝居は、ジャンルとしては「人形浄瑠璃」といのが正しいということなので、「浄瑠璃人形」という言い方もしています。
この写真のような「三人遣い」。これが「文楽」の様式だそうです。
左の、なにもかぶっていない「主遣い」と、黒子が二人、三人で人形を操ります。主遣いさんは頭と右手、左遣いさんが左手、脚遣いさんは脚を操るという分担です。
それぞれかなり訓練が必要ということですが、それはそうでしょう。なんでも、人形を操りながら合図を出しているのだそうですが。
今日ご披露していただいたのは、「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」という、おめでたいお祝いごと向けの、定番の舞です。かなり動きが激しいのですが、今日のは練習などなく、ぶっつけ本番ということでした。
十分ほどの舞ですが、相当に動きの激しいもので、これをぶっつけ本番でできるというのは、どういうことだろうと、不思議です。伝統芸能って、そういう世界なのですね。すごいものです。
ちなみに、この「文楽式太郎」、「くいだおれ」閉店後は国立文楽劇場に寄付することになっています。ガラスケースに収めてどこかに飾ってもらえるようですが、またいずれ勘十郎さんがほんとのお芝居で遣ってくださる機会もあるものと期待しています。
この「文楽式太郎」、特に女性記者の方々に「カッワイイー!」と大変好評だったので、これを機会に、子供さんたちなど、文楽に興味を持ってもらえればというのが、「くいだおれ」の希望です。
2008年06月07日
文楽式太郎
posted by くいだおれ太郎 at 18:05| Comment(2)
| 日記
勇ましく「睨み」を極めている太郎、カッコエエです!