2008年04月18日

割烹部の調理場 その2 鯛のあら煮

鯛のあら煮(大阪では「あらだき」と呼ぶことが多い)は、「大阪名物くいだおれ」の隠れた人気商品です。常連さんたちの間で、知る人ぞ知る「名物」です。

今日は予約だけであら煮が140人分。それを炊くところを写真撮らせてもらいました。おもに煮方を担当する中野くんです。

鯛のアラは熱湯にくぐらせて、それから冷水にさらします。「霜降り」という作業ですが、これで余計な血やあくを抜きます。それを、まんべんなく火がとおり味がつくように、大きな鍋にきれいに並べてゆきます。今日はこの鍋が6杯。
鯛あら.jpg

ショウガと水、酒を入れて、落としぶたをして、強火で数分。アクをとって、醤油と砂糖を入れます。
あら煮2.jpg

ふたたび、落としぶたをして数分。
あら煮1.jpg

さらにアクを取って、たまり醤油を足して、煮汁をかけながら煮ます。根気よく、何回も何回も煮汁をかけます。
あら煮3.jpg

そして、煮汁が少なくなって、鯛に照りがついてきたらできあがり。
ここまで火はずっとフル・バーナーです。むやみに時間をかけずに、できるだけ手早くやるのがポイントということです。あまりゆっくりやっていると、鯛の味が抜けてしまうからだそうですが、このあたりの加減は、やはり経験です。

あら煮4.jpg

中野くん、ほかの仕事をしたり、指図をしたりしながら、鍋の仕事をすすめてゆきます。最後の煮汁をかけながら、はほとんど付きっきりですが、手早く、1時間半ほどで鍋6つ、140人分を炊き上げてしまいました。

鯛のあら煮、酒飲みにはこたえられない肴ですね。ほほ肉とか目のまわりとか、うまみやコラーゲンぎっしり。手早く炊き上げて、鯛の味やうまみを逃さないのがプロの技ってことですね。しかし、この鍋の大きさと量にはおどろきでした。
あら煮5.jpg

posted by くいだおれ太郎 at 23:17| Comment(1) | 日記
この記事へのコメント
上方ではありませんが、東京銀座の「たいめいけん」さんの
事を考えていました。
ラーメンコーナーと高級フランス料理の両立・・・出来ない
わけではない。
しかし・・・今は時間が無さ過ぎるしビルの老朽化、特に
耐震構造の問題は避けて通れないでしょう。

「くいだおれ太郎」は何処かの展示物になってはいけません。
上方の食の豊富な文化を象徴しお客さんを呼び込むという
存在こそが「太郎」。
阪神パークから各地に散ってしまったレポポンの剥製
よろしく「昔は良かった」って存在になっちゃダメです。
Posted by 強力公園 at 2008年04月19日 03:38