では、すき焼きを焼いてもらいましょう。
「大阪名物くいだおれ」のすき焼きは、割り下を使わない上方風(かみがたふう)。
といっても、もともとすき焼きはこういう焼き方だったので、その本家さんがわざわざ「上方風」と呼ばれるのも妙な感じです。
昔は、関西のおうちですき焼きをするときはどこもこの「上方風」だったそうですが、今はこのやり方で焼ける方も少なくなっているようです。当然、「大阪名物くいだおれ」ではちゃんと仲居が焼きますので、ご心配なく。
うちのお鍋は砲金。「砲金(ほうきん)とは銅と錫の合金の一種で、大砲の砲身に使われたからだとか、英語の「ガンメタル」の翻訳であるとか。「ガンメタル」というと、ふつうもっと暗い色を連想しますが、違うものなのでしょうか?
ともかくも、分厚くて、やわらかく火が回るお鍋です。上方風は、分厚い鍋でないとすぐ焦げ付いて焼けません。
まずはこの鍋を熱くして、牛の脂を塗り込みます。
脂が溶けてきたら、お砂糖をぱらぱらと
それからお肉を焼きます。ここまで、ずっと強火です。
そしてお醤油を適量。
この加減がなかなか難しい。焦げちゃいけないと思って、ついついよけいに醤油を入れてしまうと、辛くなりすぎ。ここは仲居の腕の見せ所です。
これで、色が変わったら焼き上がり。第1ラウンド終了です。
いったんお肉を引き上げて、召し上がっていただいて、第2ラウンドへ。
第2ラウンドでは、野菜を入れます。
まずは、ささがき牛蒡から。さきほどの肉の肉汁が出てますので、牛蒡がそのうまみをたっぷり吸い込みます。
あとは、糸こんにゃく、タマネギ、ネギ、白菜など。
野菜を入れたら、またお砂糖と醤油を少々。
そうすると、野菜の水気が出てきます。水気が多少あって、焦げ付かないあいだに次のお肉を投入。また、お砂糖と醤油で味付けを少々。
いよいよ、宴会本番って感じになってきましたね。野菜が肉のうまみを吸って、肉は野菜の水気でうまいぐあいに焼けてゆきます。
どうです、いい感じでしょう。
あとは、お野菜とお肉と、お鍋から取った分だけ足していって、その都度お砂糖と醤油を足しながら。もし、火が強くて焦げ付きそうになったら、「かんざ」(燗冷ましの日本酒)を少々。
「上方風すきやき」は、砂糖や醤油をたくさん使うように見えますが、それでいて案外甘ったるくもなく、辛くもないものです。見た目ほど砂糖も醤油も多くないというか、ほかのお料理や割り下のほうが、実はびっくりするほど砂糖や醤油を使っているというか。
「大阪名物くいだおれ」ですき焼きを召し上がるときは、仲居が「甘めにしますか、辛い目がいいですか」などと、加減を伺ってそれにあわせて焼きますので、お好みをおっしゃってください。
(ご注意)
ここでご紹介したすき焼きは、弊店4階〜8階のお座敷のメニューです。3階和定食部でお出ししているものはこれとは違うものです。ご了承くださいませ。
2008年04月17日
すき焼き その2 上方風
posted by くいだおれ太郎 at 22:26| Comment(1)
| 日記
ある意味では「くいだおれ太郎」の庶民的なイメージの
反対側な料理かもしれないですが、これを止めたら
「くいだおれ」じゃなくなるんでしょうね。
このあいだのレスにも書きましたが「太郎の別荘」なんて
ちょっと高級感のある場所・・・例えば太鼓と帽子を下ろし
椅子に腰掛けた普段は眉をつり上げ目をギョロギョロさせて
いる太郎が、にこやかにタレ目で目を瞑ってて玄関に居るような
落ち着いた場所・・・そう言った数を限定した場所(名指しで
いうなら「がんこ寿司」のお屋敷)みたいな展開の反面で
1Fのファミレスを551蓬莱さんみたいに数は作るけど
関西圏でだけ展開するなんて事は出来ないのかなと思います。