2008年04月13日

ざこば1

中央市場で、いつも最初に行くのが「田中鮪(たなかまぐろ)」さん。「くいだおれ」では、田中さんのところからは主に冷凍もののキハダマグロなどを買っています。


関西と関東では、マグロの好みはちょっと違うみたいですね。
もちろん、どちらでも本マグロが最高とされるのは同じですが、関西ではあっさりした「よこわ」(マグロの幼魚)が好まれることもあって、同じように味わいの軽いキハダマグロも好まれます。キハダマグロは赤みが浅いので関東ではあまり好まれず、むしろ色の濃いメバチマグロのほうが好まれると聞きます。

でも、今日の田中さんのおすすめはメバチでした。


「部長、今日はこれ、見てくださいよ。バチ(メバチマグロ)のね、きれいにトロが入ってるでしょう。バチはふつう赤道あたりで捕りますけど、これはタスマニアのバチですねん。高緯度のバチは、こんなふうにきれいにトロが入りますねん。あんまり大きいのはないですけどね。せいぜい50キロとか60キロですけど、これからはこういうのをしっかり仕入れようと思ってます。」

「本マグロもほとんどは畜養でしょ。あれは、一切れだけ食べたらおいしい。脂が乗ってるからね。でも、なんべんも食べてると、やっぱり畜養は味がもひとつですわ。こだわる寿司屋さんが、畜養の本マグロよりはこういうバチの天然の、うまいことトロが入ったほうがええ、いうて最近言うてはりますワ。いっぺん、試してくださいな。」

マグロの「養殖」と言わずに「畜養」というのは、幼魚を捕って育てるからで、卵から育てる「養殖」とは区別するからだそうです。今、畜養マグロは地中海でいちばん盛んです。
畜養マグロはエサの加減でよく脂が乗るので人気がありますが、プロのマグロ屋さんの間では、評価はもう一つのようです。実際、大阪の中央市場では、天然の良いキハダマグロは(キハダには畜養はありません)、畜養の本マグロと同じくらいの値段がつきます。

世界的な寿司ブームで本マグロがひっぱりだこになり、日本では品薄になっています。一昨年くらいから、かなりマグロが高くなっていますね。
また、マグロが昔ほど捕れなくなっているのと原油高のせいで、マグロ漁船もなかなか採算が厳しくなっているそうです。中央市場でも何軒かマグロの仲卸さんが店をたたまれたそうです。

といって、和食ではお造りにはマグロは欠かせないものですし、かといって値段が上がったからといって、マグロのお造りの値段を何割もあげるわけにもゆかず、なかなかむずかしいところです。
posted by くいだおれ太郎 at 22:14| Comment(0) | 日記
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