「プロの道具」というと、何かすごいものを連想してしまいますが、プロの厨房を覗いてみると、案外道具はシンプルなものです。
たとえば、鍋。
当たり前ですが、鍋は鍋。
ふつうの家庭の鍋と違うところといえば、サイズ。
大きさと、厚みが違います。だいたいプロの厨房ではアルミの鍋を使うことが多いようですが、これだけの大きさと厚みになると、アルミといえども鍋そのものが温まるまで時間がかかるそうです。
家庭用の「何層構造」のほうがよっぽど機能的には「すごい」ですね。
バーナーもシンプルです。
和食の職人さんは、こういうバーナーが使いやすいそうです。
左側にツマミがいくつかありますが、バーナーの系統が3つくらいに分かれていて、それぞれで入り切りと火力の調整をします。シンプルですね。家庭用のバーナーみたいな点火装置はついていないので、毎回「チャッカマン」みたいなので点火します。
あと、家庭用とちょっと違うといえば、この向こう側に写っている鍋ですね。
「ヤットコ鍋」というやつです。取手がついてなくて、鍋を運ぶときはヤットコでつかんでやります。
プロの厨房は広いようですが、何十人分、何百人分、の料理をいっぺんに作るとなればかなり窮屈です。うっかり何かが取手にあたって鍋をひっくり返しでもすれば、料理が台無しになるどころか大やけどのもとですから、少しでも邪魔にならないように取手がついていないとか、重ねてしまうのに取手がないほうが具合がよいとか、いろいろ理由があるのでしょう。小さい鍋はこういうシンプルな鍋が主役です。
揚げ物も、こんなにシンプルです。作業の途中なので汚れていてもうしわけありません。
これはちょっと家庭にはない道具でしょうか。スチームコンベクション。
蒸し器とオーブンを兼ねたようなもので、この10年くらいで普及しているようですが、今は家庭でも「ヘルシオ」など同じようなものがあるので、家庭との違いは大きさだけということになりますか・・・・
作業台も、いたってシンプル。
下の方はものが置けるようになっています。
こういうのはちょっと違いますね。
「台下冷蔵庫」といいます。
作業台の下が冷蔵庫または冷凍庫になっている、というべきか、冷蔵庫・冷凍庫の上が作業台になっているというべきか。
ちなみに、こういうプロの冷蔵庫は家庭向きではありません。何となれば、コンプレッサーの音がやかましいのです。たしかに、プロの厨房では夜中は空っぽになりますから「静音」は必要ありません。
2008年06月25日
プロの厨房から
posted by くいだおれ太郎 at 21:05| Comment(0)
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