「愛染娘」さんたちの浴衣を見ていると、鱧(はも)が食べたくなりました。色気より食い気で申し訳ありません。
ともあれ、大阪・京都に共通して、夏の食材といえば鱧。そして夏の鱧といえば、「落とし」。
この涼しげな姿もさることながら、蒸し暑くて食欲も落ち気味な夏の夜、さっぱりして、しかもコクのある鱧の落としを梅肉でいただくのは夏の大きな楽しみです。
梅雨寒の時期をすぎ、湿って生暖かい風がただよい、女性の浴衣姿がいかにも華やかに涼しげに感じられる季節になると、いよいよ鱧の本番です。
さてご承知のように、鱧という魚は細かい骨が多いので口にさわります。そのため、「骨切り」といって身に細かい包丁目を入れて小骨がさわらないようにします。
大事なことは、目の細かさもさることながら均一の太さに包丁目を入れること、きれいに皮一枚残すこと。鱧の身に火を通すのはまったく微妙な加減なので、包丁目がきれいに入らないと火の通り加減にムラが出来て美味しくないのです。
鱧の湯引きの係りは、またまた吉岡くん。
まず、包丁目を入れた切り身をざるに並べます。
次に、熱湯につけて火を通します。
まず、皮の部分だけ。
このあたりの加減がなかなか難しい。
そして、ころあいをみて、全体をさっと熱湯に通します。
さらにすばやく冷水にとって、火の通りを止めます。
表面だけ白くなって、中のほうはまだ生というのがちょうど良い具合。
このように、さっと湯通しして水に落とすので「落とし」というのだそうです。
さて、鱧の落としといえば、調味料はワサビ醤油ではなくて梅肉。
これは梅干を裏ごししたものに、ほんの少し味付けをしたもの。
そのお店ごとにレシピがあって、「くいだおれ」割烹部のも「秘伝」だそうです。
2008年06月19日
割烹の調理場その7 鱧の落とし
posted by くいだおれ太郎 at 17:55| Comment(0)
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