2008年04月14日

たこ焼き教室

さて、昨日の「サンデー・ジャポン」から、まずは「たこ焼き教室」をご紹介いたします。
このオプションもはや12年。「大阪名物くいだおれ」ですっかり人気の商品になりました。

大阪人なら焼けてあたりまえのたこ焼き(本当に誰でも焼けるのかどうかは確認してませんが)。大阪以外の方には大変新鮮なご経験のようで、毎度毎度、大変よろこんでいただいてます。

まず、たこ焼きの生地。これは小麦粉と玉子と出汁、それに調味料でつくります。その配合が、それぞれのお店の個性であり、企業秘密であり、あるいはそれぞれのご家庭の「おふくろの味」だったりします。もっとも今はホットケーキミックスみたいな「たこ焼き粉ミックス」が何種類もありますので、出汁から自分ちでつくるお宅は少ないかもしれませんが。

「大阪名物くいだおれ」のたこ焼きの生地は、玉子が多いのが特徴です。
大阪のお客様がたはそれがわかるようで、「お。ここの生地は玉子が多いな」なんておっしゃる方がけっこうおられます。

「たこ焼き教室」のプレートはこの「教室」用の特注プレート。銅製のなかなかぜいたくなものです。固形燃料に火をつけてこれを熱くして、生地を落としてジュッというくらいになったら一気に生地を流し込みます。
「サンデー・ジャポン」の収録のときに山中アナウンサーが「全部入れたらあふれちゃいますよ」と驚いておられましたが、そうなのです、プレートのくぼみからあふれるように入れるのがポイントです。


次に、タコ、天かす、桜えびなどの具を入れます。これも、くぼみからあふれたところに入れてもかまいません(タコはくぼみのところでないと入りませんが)。この具もお店によりそれぞれですが、欠かせないのが、タコ(当然ですね)と天かすです。ほかには、紅ショウガを入れたりもします。

そうして、ここでしばらくさわらないこと。これがたこ焼きを上手に焼く鉄則です。
だから「たこ焼き教室」では、お客さまが焼きはじめのたこ焼きをいじらないように、「たこ焼き音頭」を踊っていただくのです。

「たこ焼き音頭」は、「日本コナモン協会」(大阪ではたこ焼きとかお好み焼きのように、小麦粉などを溶いて焼いた食べ物を「コナモン」、標準語では「粉もの」といいます)の会長、熊谷真菜さんが作詞作曲されたものです。

「たこ焼き教室」では、「たこ焼き音頭」を踊っていただくこと3分50秒。そして席に戻って、さっきのくぼみからあふれた部分を、くぼみのところに集めてゆきます。


この3分50秒の間に、流し込んだ生地の表面が焼き固まって、こうやってすなおにプレートからはがれるようになるわけです。
そして、この状態で、プレートと生地にあいだに竹串をさしこんで、くぼみにそってくるりとまわすと、あら不思議、きれいなたこ焼きが姿をあらわします。

おわかりいただけるでしょうか。このときに、くぼみのところだけに生地を入れていては、こんなにきれいに丸い形にはならないわけです。


あとは、おなじようにしてくるくる回しながら焼いてゆくだけ。
たこ焼き焼くなんて、やってみると案外簡単なものですよ。
そしてお皿にとって、ソースと青のり、かつおぶし、あとはお好みでマヨネーズをかけて熱々を召し上がっていただきます。

ちなみに、「たこ焼き」の親戚に「明石焼」というのがあります。
「明石焼」は温かい出汁につけて食べるのが標準的な食べ方ですが、粉の配合からして「たこ焼き」とはちょっとちがいます。
明石焼の生地は、小麦粉が少なくて玉子が多いのが特徴です。かつては「卵焼き」と言ったそうですが、そのとおり、出し巻きに近い味わいです。もちろん、タコは入っています。
大阪の「たこ焼き」が、「外はカリッと、中はトロリと」を理想とするのに対して、「明石焼」は表面もやわらかいのが違いです。これはまた違った味わいがあります。

ところで、大阪では「各家庭にかならず一台、たこ焼き器がある」と言われます。
そして、そのたこ焼き器、「むかし大阪ガスがガス普及のために各家庭に配った」という伝説もあります。
そこで大阪ガスさんに問い合わせみたところ、お客様相談室の方がわざわざ調べてくださいました。それによりますと、
「大阪ガスがかつてたこ焼き器を配ったという記録はない」のだそうです。
そのかわり、「20年ほどまえに都市ガスを天然ガスに切り替えていった際、ご家庭でお持ちのたこ焼き器が天然ガス用に切り替えられず、新しいものを無料で、あるいは格安でお渡ししたという経緯があり、そのせいで「配った」という伝説が生まれたのではないでしょうか」、ということでした。
こんなばかばかしい問い合わせにきちんと調べていただいて、ありがとうございました。
posted by くいだおれ太郎 at 23:46| Comment(0) | 日記