2008年04月11日

なにわのモーツアルトと、たこ焼き、すき焼き

今日はお昼ごろに、TV番組の取材でキダ・タローさんが店頭に登場しました。
いつも写真撮影でにぎわう「くいだおれ」店頭ですが、キダさんが登場するや、黒山の人だかりになりました。
「なにわのモーツアルト」と呼ばれたキダさんは、かつて、道頓堀のほとんどの店のテーマソングを作曲したという伝説があります。


「大阪名物くいだおれ」にはテーマソングがいくつかあります。いつも店頭でかかっているのは、ウェブサイトの冒頭にもかかる「大阪名物味自慢、道頓堀のくいだおれ・・・」、という歌ですが、店頭でこの次によくかかる「ミナミへ行こう、道頓堀へ・・・」がキダ・タロー作曲です。

キダさんの曲は親しみやすいメロディもさることながら、ハーモニーがきれいです。キダさんはこうしたテーマソングやCM曲を量産しただけではなくて、どれもハーモニーがきれいなところが「モーツアルト」の異名になったということでしょうか。

さて、午後からは「サンデー・ジャポン」の取材があり、山中秀樹さんが「くいだおれ」7階のお座敷で、「たこ焼き教室」と「すき焼き」を召し上がりました。

「たこ焼き教室」は、お客様に実際にたこ焼きを焼いていただき、それを召し上がっていただくコースです。12年続いている「くいだおれ」名物で、これまでもたびたびテレビで紹介されているので、ご存知の方も多いかもしれません。

また、「大阪名物くいだおれ」の創業当時からの名物の「すき焼き」は、割り下を使わずに、砂糖と醤油とお酒だけで焼く、上方(かみがた)風のすき焼きです。

今日収録したものは、13日に放映予定だそうです。どれだけ放映されるかはまだわからないそうなので、放送を拝見してから「たこ焼き教室」「すき焼き」について解説したいと思います。

posted by くいだおれ太郎 at 21:12| Comment(8) | 日記

割烹部の調理場1

「大阪名物くいだおれ」には、割烹、和定食、居酒屋、洋食、それにフレンチ&イタリアンである「ウラ・くいだおれ」5つの部門があり、調理場も5つあります。今日はまず、割烹部の調理場からご案内します。

「くいだおれ」の割烹部は、おそらく、「くいだおれ」の中でも一番知られていない部門ではないかと思います。大阪に生まれ育った方でさえ、「くいだおれの上のほうにこんなに落ち着いた座敷があるとは知らなかった」とおっしゃる方がたくさんおられます。
でも、この割烹部、規模としては「くいだおれ」でいちばん大きな部門で、また、わたしたちが誇りに思う部門でもあります。

さて、調理部の「長」は、役職名ではふつう「調理長」とか「料理長」と言いますが、和食の世界では伝統的に「親父」、「おやっさん」と呼んでいます。「くいだおれ」の事務所では、洋食とウラ・くいだおれの長を「チーフ」、和食系の長は「調理長」と呼んでいますが、現場(厨房)で職人さんと話すときはやっぱり「おやっさん」のほうがしっくりきますね。

「くいだおれ」割烹部の竹間(ちくま)調理長、「竹間のおやっさん」です。一昨年、農林大臣賞をいただいて、目下売り出し中です。


今日は、会席だけで100名様のご予約がありました。お客様にお出しするお造りの盛りつけや数をチェックしているところです。
お食事がはじまる時間は、だいたいどのお客様も6時から6時半くらいです。つまり、100名分のお料理をだいたい同じタイミングでご用意することになるので、お料理がスタートすると調理場も配膳もおおわらわです。

「親父」は、調理場ではあまり包丁をもったりはしないものだそうです。全体の仕事を指揮し、盛りつけや味付けのチェックをしたり、メニューを決めたりするのが本来の仕事ということです。
もっとも、「くいだおれ」くらいの規模では調理長も包丁を持ちます。今日は特に、立て板さんがお休みだったので、おやっさん自ら「やなぎ」(刺身用の柳刃包丁)を握っています。
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割烹では、お造りをつくる担当を「立て板」と言います。立て板さんは、親父か二番手、つまりその調理場で一番腕の良い職人さんがやるものだそうです。ご自分で包丁握る方はおわかりだと思いますが、きれいにお刺身を造るのはかなり難しいですよね。あんなに小さな一切れでも、まっすぐ切るのは難しいし、まして厚みをきれいにそろえるというのは。それに、魚の身ってきれいな長方形ではないから、材料を無駄なく、しかもきれいに切り分けるのは経験が必要です。

「花板」という言い方もありますが、これは関東の、それもカウンター割烹でよく使われる呼び方だそうです。「花板」というと、接客もし、ショーマンでもあるというニュアンスがありそうです。包丁も、ふつうの仕上げとちがって、全面ぴかぴかに磨いてあるものを使ったり、「見せる」要素の強いものだそうです。

「くいだおれ」の立て板さんの仕事は「花板」みたいな派手さはありません。
でも、けっこう凝ったことやってます。
これはキュウリを使ったお造りのあしらいですが、チョウチョの形です。これは今月、4月のあしらいで、来月はまた違うものになるそうです。これを、たとえば今日なら100人分、ひとつひとつ手作りでつくってゆくわけです。


posted by くいだおれ太郎 at 00:20| Comment(5) | 日記